本研究では、組織のオープン化の職場レベルでの実態を、質問紙調査及び綿密な観察によるフィールド調査で明らかにし、エージェント・ベース・シミュレーションなどのモデリング手法により理論化することに取り組んだ。特に、意思決定に関わる3つの視点(問題解決の確実性、意思決定の迅速性、創造性)から、組織のオープン化がもたらす効果を検討した。その結果、組織のオープン化による協働には正だけでなく負の側面もあることがわかった。つまり、組織のオープン化のみならず、いくつかの条件が必要であることがわかった。具体的には、個人特性に応じた施策、多様な場を適切に選んで仕事ができる環境、組織の見通しを高めること、である。
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