研究課題/領域番号 |
16K17176
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
山本 聡 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (60632346)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 中小企業 / 海外市場参入 / 地域公的機関 / 企業家行動 / 国際的アントレプレナーシップ / ボーン・グローバル / 社会情緒的資産 / エンパシー |
研究実績の概要 |
2018年度も事前の研究計画に則り、過年度までの国際的アントレプレナーシップ研究に関する文献調査と実態調査の成果を下敷きとした学会報告および論文執筆に傾注した。実態調査としては多摩地域の製造企業、岐阜県の食品企業、静岡県の製茶企業および県庁や公的機関に対して、インタビューを重ねた。また、データ会社との産学連携をしつつ、ミクロデータを用いた中小企業の海外市場参入プロセスの定量分析も継続している。その成果は一般読者向けの原稿などにもしている。また、2018年度は企業内の担当者の方々により深く接しながらの研究も行った。こうした中で、ファミリービジネス研究における「社会情緒的資産」理論や従業員の企業家行動といった新たな分析視点を得た。また、2019年3月にはタイに実態調査に赴き、タイ・ローカル企業および日系企業の国際化の現状も調査した。2018年度の具体的な研究成果は以下になる。2018年46月から2019年5月までに依頼論文1本(素形材)、DP1本(一橋大学経済研究所)を公刊し、国際学会にて2回の報告(ICSB、ACSB)、国内学会で2回(企業家研究フォーラム全国大会、企業家研究フォーラム春季研究会)、成果普及の講演3回(東京都の中小企業振興を考える有識者会議、 燕三条・「ものづくり革新会議」シンポジウム 2018、東京経済大学・多摩信用金庫 共同 地域活性化シンポジウム)で報告した。なお、2019年6月以降も2回の国内学会報告(日本中小企業学会東部部会、全国大会)が決定している。加えて、論文執筆と国内外のジャーナルへの投稿を鋭意、進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度には文献調査および実態調査を継続して行った。また、研究成果として、依頼論文1本、DP1本)を公刊あるいは公刊予定である。また、国際学会では報告2回(ICSB、ACSB)、国内学会での報告2回(企業家研究フォーラム全国大会、企業家研究フォーラム春季研究会)、自治体などでの講演3回(東京都の中小企業振興を考える有識者会議、 燕三条での「ものづくり革新会議」シンポジウム 2018、東京経済大学・多摩信用金庫 共同 地域活性化シンポジウム)を行った。また、書籍の分担執筆も進めている。その中で、本研究プロジェクトに関して、社会情緒的資産、従業員の企業家行動、エンパシーなどの新たな概念を見出し、研究に活用している。また、前年度に引き続き、実態調査に加えて、データ分析を行った。ただし、研究代表者に第二子が誕生しこと、また、研究代表者が2018年度末で所属機関を移動したことから、研究の総括的なまとめがなされていない。加えて、2018年度に予定していた論文投稿などが、未実施である。こうした理由から「やや遅れている」を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は期間延長による最終年度であるため、研究の総括を行い、成果の報告・投稿に尽力する。加えて、次の研究プロジェクトにつながるような実態調査や文献調査を進展させる。また、海外の研究動向を調査するため、国際学会にも参加予定である。2019年5月現在で、既に国内学会の報告と論文投稿が一つ決定している。これ以外にも学会報告および論文投稿に傾注する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本次年度使用額は研究代表者に2018年9月に第二子が誕生したことで育児のエフォートが増加されたことを主要因として、宿泊を伴う遠距離出張を、日帰りの短距離出張に変更したことで旅費の低減が生じたことが主な理由である。2019年度にて、成果の報告のための諸費用(含 英文用のソフトウェア)や先端的な理論の情報収集に関する国際学会参加のための旅費などに充てる予定である。
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