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2018 年度 実施状況報告書

新競争要因を創出する製品開発プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K17185
研究機関東北大学

研究代表者

山崎 喜代宏  東北大学, 経済学研究科, 准教授 (40551750)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード製品開発 / 新競争要因創出 / 価値次元の連続的な転換 / プロセス解明
研究実績の概要

本研究では、時間の経過とともに多元化していく価値次元に着目をして、新しい競争要因が創出されるメカニズムの論理を構築することを目的としている。新しい製品分野を形成するような競争要因が生んだ製品開発事例を取り上げ、どのような開発プロセスのもとで、競争要因が創出されたのかを探索的な分析を行うものである。
計画している研究項目は、以下の3つである。第一に、研究対象産業における製品進化のトラジェクトリーを明らかにすること。第二に、研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明すること。第三に、その競争要因を持つ製品のその後の製品展開を分析することである。これまで動態的に捉えられてこなかった新競争要因の創出プロセスを解明することで、コモディティ化に苦しむ産業・企業にとって有効な示唆を得ることが期待される。
本年度は、まず第一の研究項目に関連して、データ収集とその整理を行った。これまで研究対象とするデジカメ産業における製品トラジェクトリーを明らかにするために製品スペックデータを中心に収集してきたが、22年に渡るデータを入手し、それを研究に使用できる形へと加工編集を行った。そしてそれに基づいて、コンパクトデジカメ産業の導入期から(現在突入していると考えられる)衰退期までの製品ライフサイクルのすべてのフェーズに渡る参入企業の製品戦略を分析した。この一部の研究成果について、国際学会において研究発表を行った。
また、第二の研究項目については、既存企業が一度のみ新しい競争要因を生み出した事例のみならず、連続的に競争要因を生み出した事例の詳細な分析を進めた。この成果については、国際学会において研究発表を行い、フィードバックを得た上で、現在論文の形へまとめているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究において、計画している研究項目は、以下の3つである。第一に、研究対象産業における製品進化のトラジェクトリーを明らかにすること。第二に、研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明すること。第三に、その競争要因を持つ製品のその後の製品展開を分析することである。
本年度は、3つの研究項目のうち、まず第一の項目については、データの収集とその整理、分析を行った。22年分のデジタルカメラの製品仕様データを研究に利用できるまでにするには、時間と労力がかかったが、ほぼそれを終え、その一部の分析を行った。具体的には最初の8年間のみであったので、今後は、その後の14年間のデータを分析して、研究成果を出していきたい。
また、第二の研究項目については、既存企業が一度のみ新しい競争要因を生み出した事例のみならず、連続的に競争要因を生み出した事例を対象に分析を進め、この成果を2019年度中に発表する予定である。
さらに、第三の研究項目についても、第一の研究項目と同時並行で進めており、第一と第二の研究項目を統合した形で研究成果を2019年度中に出す予定である。

今後の研究の推進方策

本研究では、時間の経過とともに多様化していく競争要因に着目をして、新しい競争要因が創出されるメカニズムの論理を構築することを目的としている。新しい製品分を形成するような競争要因が生んだ製品開発事例を取り上げ、どのような開発プロセスのもとで、競争要因が創出されたのかを探索的な分析を行うものである。
そして、具体的な研究項目として、以下の3つを挙げている。第一に、研究対象産業における製品進化のトラジェクトリーを明らかにすること。第二に、研究対象産業で既存とは異なる競争要因を生み出した製品の開発プロセスを解明すること。第三に、その競争要因を持つ製品のその後の製品展開を分析することである。
今後の研究は、この3つのすべての研究項目で研究成果を出していくことが目標となる。第一の研究項目については、その分析に必要なデータを入手・整理を行ったので、これを用いて研究成果を出していくことになる。産業の初期に関しては、すでに分析を行い、研究発表を行っているので、それに続くピリオドの分析を進めたい。また、第二の研究項目に関しては、その骨格となる論理的な考察はほぼ終えており、それをどう論文の形にしていくのか、また研究発表等を通じてフィードバックを得ながら、より精緻で頑強性の高いものへとブラッシュアップしていきたい。そして、第三の研究項目は、第一の研究項目と平行しながら、参入企業の製品ライン戦略を分析し、特徴を明らかにした上で、比較検討を行っていきたい。この項目についても、データはすでに手元にあるので、分析とその成果の発表に注力したい。

次年度使用額が生じた理由

理由:海外学会への参加・研究発表を2回行ったが、そのうち1回は他の資金を利用したため、未使用額が生じた。
使用計画:すでに参加が決まっている海外学会があり、それへの旅費に使用する予定である。また耐用期間が過ぎたパソコンの更新に使用したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] A Creation Process of New Competitive Factors2018

    • 著者名/発表者名
      Kiyohiro Yamazaki
    • 雑誌名

      Proceedings of Innovation and Product Development Management Conference

      巻: 25 ページ: 1-13

    • 査読あり
  • [学会発表] A Creation Process of New Competitive Factors2018

    • 著者名/発表者名
      Kiyohiro Yamazaki
    • 学会等名
      Innovation and Product Development Management Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] A Process of Forming a Single Competitive Factor in the Digital Camera Industry2018

    • 著者名/発表者名
      Kiyohiro Yamazaki
    • 学会等名
      International Conference on Technological Innovation, Entrepreneurship and Management
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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