研究課題/領域番号 |
16K17190
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中川 充 日本大学, 商学部, 准教授 (90638412)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グローバル・イノベーション / 実行プロセス / 海外子会社 / 新興国市場 |
研究実績の概要 |
計画の3年目にあたる平成30年度に行ったことは、主に以下の3つである。 (1)これまでの研究をふまえ、海外ジャーナルに投稿していた論文1本が、査読審査を経て掲載に至った。また、国内でも、関連する分野の学会誌に、査読付き論文を公刊することができた。 (2)東南アジア(フィリピン、ラオス)に拠点を置く、日本企業の海外子会社などに対して、訪問・ヒアリング調査を実施した。これらの調査では、現地トップ、本国親会社からの出向・駐在 員、現地人マネージャーならびに現地進出を支援する機関の担当者など、多様な方々から、グローバル・イノベーションの実行プロセスについて、貴重な一次データを収集することができた。 (3)上記のデータをふまえ、国内学会(国際ビジネス研究学会全国大会、北海道・東北部会、多国籍企業学会全国大会)と海外学会(Academy of International Business)において、成果発表を行った。学会発表を通して、国内外の一線級の研究者から、貴重なコメントを得ることができ、現在、論文化の段階にある。この論文は、翌年度に投稿される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初計画における最終年度であった2018(平成30)年度には、主に以下の2つの理由により、研究計画に遅れが生じた。 第1の理由としては、マクロ的な要因による進出先国の状況変化などから、調査協力企業との日程調整が難航し、訪問・ヒアリング調査に関して、当初計画から変更が生じたことがあげられる。この点が、もっとも大きな理由といえる。 第2の理由としては、研究代表者が所属先機関を変更したことがあげられる。これにより、研究活動の基盤を再構築する必要が生じ、計画に遅れが生じた。 以上の点を総合し、研究計画を評価すると、着実に進んでいる面もあるものの、全体的には「遅れている。」と言わざるを得ない状況にあると考える。
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今後の研究の推進方策 |
計画延長後の最終年度にあたる2019(平成31)年度には、引き続き、本研究の成果を総括し、広く社会へ発信することに注力したい。具体的には、海外学会へ論文を投稿し、査読審査を経て、学会発表を行いたい。本研究課題の核をなす「グローバル・イノベーションの実行プロセス」は、理論的・実践的意義が大きいことは指摘されているものの、まだ十分な研究蓄積があるとは言い難い分野である。したがって、研究成果を、関連する研究の文脈において適切に位置付け、主張することは、極めて重要な課題である。同様の理由で、国内学会でも発表の機会を持ちたい。 さらに、最終的な成果としては、当初の研究計画とおり、学術論文として発表したい。関連分野の学会が発行する学会誌に、査読付き学術論文として公刊することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
既述の通り、当初計画における最終年度であった2018(平成30)年度には、主に以下の2つの理由により、研究計画に遅れが生じた。それに伴い、以下の理由により、次年度使用額が生じた。 第1に、調査先である協力企業との日程調整が難航した。そのため、訪問・ヒアリング調査に関して、当初計画から変更が余儀なくされた。これにより、今年度に予定していた旅費の一部について、翌年度へ持ち越すこととなった。 第2に、研究代表者が所属先機関を変更したことが関係している。研究活動の基盤を再構築する必要が生じ、計画に遅れが生じたものの、一方で、現所属機関の充実した研究環境を活用し、経費を大幅に節約することができた。 これらの状況を踏まえ、効率的かつ効果的に研究活動を遂行する目的で、予算の使用について、再検討を行った。次年度には、成果発表を中心に、旅費を使用することなどを計画している。
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