小規模小売業者の経営実践を理論的に理解することを目的として調査を実施した。調査方法は参与観察およびライフストーリーインタビューである。調査協力者は4社の青果店および1社の食料品店である。調査・分析に用いた理論は品揃えおよび商品取り扱い技術に関する商業理論である。 調査の結果、品揃えと商品取り扱い技術に関する理論的枠組みを構築することができた。まず、品揃えについては品揃えの状態に着目して理論化し、計画的品揃、適応的品揃え、解消的品揃えの概念を提示した。次に、商品取り扱い技術を分析技術と販売技術に細分化し、それぞれが行使される根拠情報として在庫情報と顧客情報を位置付けた。
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