研究課題/領域番号 |
16K17198
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
石田 大典 帝京大学, 経済学部, 講師 (80507872)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | オープン・イノベーション / 測定尺度 / 先行研究のレビュー |
研究実績の概要 |
本研究課題の初年度である平成28年度では、先行研究のレビューを中心として研究を進めてきた。その目的は、実証研究に向けた仮説の導出や測定尺度の整理である。これまで様々な研究者たちによって実証研究が進められてきたが、オープン・イノベーションを測定する尺度に関しては必ずしも統一的なものはなく、様々な尺度が用いられていた。そこで、本年度ではそれらの市測定尺度を整理し、研究潮流の全体像を把握することを試みた。 Web of ScienceやEBSCOなどのデータベースを用いて、系統的に論文を収集して議論した結果、オープン・イノベーションの測定尺度は3つのタイプに累計できることが明らかとなった。それは、(1)オープンネスに関する測定尺度、(2)インバウンド―アウトバウンドに基づく測定尺度(3)組織文化として定義した測定尺度、である。 オープンネスはLaursen and Salter (2006)によって確立された尺度であり、企業の外部情報探索を幅広さと深さから測定する形式となっている。インバウンド―アウトバウンドとは、オープン・イノベーションのプロセスを表しており、外部から知識を取り入れたり、自社の知識を外部で活用させることが含まれる。組織文化に関しては、オープン・イノベーションを生み出す組織の能力や文化を測定しようと試みた尺度となっている。本研究によって測定尺度の類型が行われたが、今後の課題としては測定尺度間の類似性や異質性の統計的な検討があげられるだろう。本研究の成果は、帝京経済学研究において論文として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目的である先行研究のレビューは順調に進んでおり、論文として一部の成果を報告したためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、オープンネスの測定尺度を用いた研究を整理し、メタアナリシスを施すことでオープン・イノベーションンと企業のパフォーマンスに関する議論を行いたいと考えている。また、先行研究の尺度を用いて、日本企業を対象とした調査も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に調達を予定してたパソコンを調達しなかったため、当初の予定にはなかった次年度使用額が生じてしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度において、調査を実施するため、そのデータの分析のためにパソコンを超刷する予定である。
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