研究課題/領域番号 |
16K17207
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
堀口 真司 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10432569)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 監査 / 告発動機 / 倫理意識 |
研究実績の概要 |
本研究は、まず公認会計士の告発動機に関する概念モデルを開発し、その経験的妥当性について、文化的背景の異なる二国間、すなわち伝統的に自由経済思想を基礎とするイギリスと、調整経済を基礎とする日本の、それぞれの国において検証し、監査人の告発動機の背景に、どのような要因があるのかを目的とするものである。これらの目的を達成するために、両国において、アンケート調査およびインタビュー調査を実施する。 2017年度の研究実績は以下の通りである。共同研究者であるグラスゴー大学のHudaib氏とヘリオットワット大学のハニファ氏とともに、日本において実施したアンケート調査の結果につき、統計的分析を行った。(ただし「現在までの進捗状況」においても述べるように、共同研究者の急病という不測の事態が発生したために、当該年度中に予定していた来日を延期することになり、日本でのインタビュー調査及びイギリスでのアンケート調査につき、一時的に中断している。) また、本研究では、日本人監査人における倫理的意識が、イギリス人監査人における倫理的意識とどのように異なるのかを明らかにするという観点から、初年度以来、継続して日本の文化的背景における倫理意識についても合わせて研究を行っており、今年度においても新たな研究を実施し、科学的研究機関における不正問題に直面した際の、さまざまな対応について調査するとともに、その対応の典型的なパターンおよぶその限界について整理し、報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究では、イギリスと日本における、監査人の告発動機の背後にある文化的要因の違いを明らかにするために、アンケート調査及びインタビュー調査を実施することを計画しているが、2017年度には、前年度までに実施した、日本におけるアンケート調査の結果につき、分析と解釈に基づき、その要因について整理した。 ただし、当該年度中に、共同研究者の急病という不測の事態が発生したため、本来予定していた2か月間の神戸大学への招聘を、次年度へと延期せざるを得なくなった。そのため、現在、2018年度における来日について調整をしており、計画では前年度に予定していたフォーカスグループへのインタビュー調査につき、一年延期することを検討している。 また、イギリスにおける調査についても、一年間の延期をせざるを得ない状況にあり、イギリスでの調査については、今年度の後半に研究代表者が訪英し、実施する予定にしている。 そのため、本年度が本研究の最終年度に当たるが、研究計画全体の一年延期を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」において述べたように、2017年度中に予定していた、共同研究者の2か月間の神戸大学への招聘予定が、共同研究者の急病という不測の事態のために延期せざるを得なくなり、両名とともに日本において実施することを予定していた、フォーカスグループへのインタビュー調査もそれに合わせて中断しているのが現状である。 本年度は、前年度に実施を予定していた日本での調査と合わせて、年度後半には研究代表者がイギリスを訪れ、イギリスにおける調査を進める予定にしている。 なお、本研究は、本年度を最終年度として計画していたが、上記の理由により、研究計画全体の一年間の延長を予定しており、最終的な研究結果については、平成31年度に完成させる予定への変更を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度に、共同研究者の2名を、2か月間、神戸大学に招聘することを予定していたが、共同研究者の急病という不測の事態が発生したために、当該年度に予定していた、日本におけるフォーカスグループを対象としたインタビュー調査の実施を延期せざるを得なくなった。そのため、上記金額分(旅費を予定)を次年度へと繰り越すこととなった。 現在、2018年度中に、改めて招聘を予定しており、前年度に実施予定であった、日本での調査を再開する計画を検討している。前年度繰り越し分については、改めて招聘に係る旅費として利用する予定である。
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