| 研究課題/領域番号 |
16K17211
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| 研究機関 | 東北学院大学 |
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研究代表者 |
山口 朋泰 東北学院大学, 経営学部, 教授 (50613626)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 利益マネジメント / 実体的裁量行動 / 会計的裁量行動 / 保守主義会計 / 利益平準化 / 公募増資 / 社債発行 / 内部統制報告制度 |
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| 研究実績の概要 |
当該年度は本研究課題の成果を含む研究書『日本企業の利益マネジメント－実体的裁量行動の実証分析－』（中央経済社）を2021年9月30日に刊行した。当該書籍では，事業活動の操作を通じて利益を調整する「実体的裁量行動」に着目し，その実施状況，経済的帰結，要因の観点から分析を行っている。この書籍の「第9章 証券発行と利益マネジメント」に本研究課題の成果が収められている。株価や社債金利は利益数値に影響を受けることが知られており，経営者は株価を上げるため，あるいは社債金利を下げるために，証券発行の直前に利益を増やすインセンティブを有している。そこで，公募増資，普通社債，転換社債といった証券発行の前年度に経営者が利益増加型の実体的裁量行動を実施したか否かを実証的に分析した。分析の結果，普通社債や転換社債の発行前年度に，経営者が利益増加型の実体的裁量行動を実施したことを示している。
また，日本企業が産業平均利益率を達成するために利益マネジメントを実施したことを析出した「Earnings management to achieve industry-average profitability in Japan」と題した論文がAsia-Pacific Journal of Accounting and Economicsに掲載された。
さらに，オーストラリアのエクセルシア大学のIan Eddie教授との共著であるワーキング・ペーパー「Accounting Conservatism and Income Smoothing after the Japanese Sarbanes Oxley Act」を改訂し，国際的な学術誌に投稿した。本研究では，2009年施行の内部統制報告制度により，日本企業の保守主義会計が増大し，利益平準化行動が減少したという研究結果を提示している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では証券発行と利益マネジメントの関係を分析することに限定していたが，証券発行に限らず内部統制報告制度まで拡張して経営者の会計的裁量行動の要因を分析できているため，「当初の計画以上に進展している」とした。
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| 今後の研究の推進方策 |
ワーキング・ペーパーを改善するために，今後さらに周囲の研究者の意見を積極的に聞くなどの推進方策を取る。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で国内・国外の出張が制限され，出張旅費の支出がないため，次回使用額が生じた。コロナウイルスが収束すれば出張旅費として，そうでなければワーキング・ペーパーの英文校正費や消耗品費等で使用する予定である。
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