研究課題/領域番号 |
16K17221
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
岩崎 拓也 関西大学, 商学部, 准教授 (30611363)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / 独立役員 / 取締役 |
研究実績の概要 |
オリンパスや東芝といった、上場企業における不祥事が発生し、コーポレート・ガバナンスに関する社会的関心が高い状況にある。本研究の目的は、独立役員のモニタリングが経営者の会計行動に与える影響を実証的に分析し、コーポレート・ガバナンスにおける会計情報の役割を明らかにすることである。
平成28年度においては、当初の研究計画にもとづき、(1)研究動向の調査と(2)仮説構築とデータ整備に努めた。(1)については、研究開始時点においてある程度終了していたが、欧米の主要な学術雑誌を中心に、コーポレート・ガバナンスに関する研究動向を調査した。また、学会および研究会にも参加し、コーポレート・ガバナンスに関する資料収集を行った。その結果、欧米の主要な学術雑誌において、コーポレート・ガバナンスの観点から会計情報の役割を実証的に検証した論文が多数公刊されており、興味深い実証的証拠が蓄積されていることがわかった。また、これらの公刊された論文のなかで分析対象となる企業は欧米企業が一般的であり、日本企業を分析対象とした研究は相対的に少ないこともわかった。とりわけ、日本企業の独立役員が経営者の会計行動に着目した研究はほとんど存在せず、本研究の分析視角が新規性の高いものであることが改めて確認された。上記(2)に関しては、研究動向の調査を踏まえて、本研究の目的に合致したリサーチ・デザインを検討するとともに、仮説検証に必要なデータを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」にて記述したように、現在まで当初の研究計画どおりに進展している。当初の計画では(1)研究動向の調査と(2)仮説構築とデータ整備を平成28年度末までに終える予定であったが、いずれも完了している。また、平成28年度に整備したデータベースを用いて、予備的調査も実施しており、次年度以降の研究を遂行するための体制が整っている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに整備したデータを活用しながら、モデル構築と実証分析を行う。その後、得られた暫定的な研究結果にもとづいて、国内外の学会および研究会で研究発表を行い、研究を発展させるための議論や資料収集に注力する。一定の成果が見込まれた段階でワーキング・ペーパーの執筆に移行する。 なお、近年のコーポレート・ガバナンスに関する制度改正が活発になされており、それらに関連する学術論文も多数公刊されることが予想されることから、最新の研究動向を網羅的に把握するために引き続き研究資料の収集を継続する。
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