本研究の目的は,独立役員が経営者の会計行動に与える影響を分析することである。具体的には,(1)独立役員である取締役は経営者による利益調整を抑制しているか,(2)抑制しているとすれば,その効果は,外国人株主の影響を受けるのかを分析した。分析の結果,取締役会の独立性は利益調整に負の影響を与えることがわかった。また,独立役員である取締役の構成割合を介し,外国人法人持株比率が利益調整を抑制することもわかった。これらは独立性の高い取締役会がモニタリングを通じて経営者の利益調整を抑制していることを示唆している。
|