本研究は、社会科学的アプローチの視点から、国際的な環境問題・資源枯渇問題解決のために、自然資本経営・会計の実態調査および実証分析を用いた国際的研究である。とりわけ、自然資本の分析・評価・開示方法について注目し、日本企業の自然資本経営・会計の実態を定性的分析および定量的分析を用いて明らかにすることである。 初年度の平成28年度は自然資本経営・会計に関する学術論文についての文献調査および自然資本経営・会計に取り組んでいる日本企業に対するインタビュー調査、2年目の平成29年度は追加的なインタビュー調査および外部公表データを用いた実証分析、3年目の平成30年度はこれまでの研究成果をまとめ、国内の学会誌に掲載されている。当初3年間の研究計画であったが令和元年度まで1年間延長し、質問票調査を実施する予定であった。しかしながら、数多くのインタビュー調査の結果を踏まえて、今回は質問票調査を実施せず、インタビュー調査や文献調査等から得られた研究成果をもとに、事例研究に変更することにした。その研究成果については、2019年11月、チェコ・プラハで開催された23rd EMAN Conferenceに投稿・採択され、口頭での研究発表を行った。また、2020年4月にオンラインで開催された国際的な査読誌であるBusiness Strategy and the EnvironmentのSpecial Issue Workshopに投稿・採択され、口頭での研究発表を行った。今後は、これまでの4年間の研究成果について、当該海外査読誌に投稿する。
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