本研究は「性暴力被害による絆の断絶と修復についての研究」(研究活動スタート支援:課題番号15H06089)を引き継いだ研究である。 性暴力被害者への対応について,海外の先行研究では,医師などの専門家に対する被害者の評価は必ずしも高くなく,同性の友人が最もサポーティブであるといった報告がなされている。また,国内でも同様に,医師や心理士や警察官などへの評価は高くなく,むしろ,そうした既存の専門性を持たない支援者が,被害者からより高い評価を得ていることなどが明らかにされている。 29年度は,上述の問題意識の下,性暴力被害者支援に携わる者を対象に,聞き取り調査を行った。従来専門性とは認識されてこなかった視点や能力が,性暴力被害者支援においては必要・有効な専門性となりうることを示唆する結果が得られた。
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