研究課題/領域番号 |
16K17234
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
芦田 裕介 宮崎大学, 地域資源創成学部, 講師 (30771951)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 空き家 / 農山村 / モノ / 再生産システム |
研究実績の概要 |
本年度は研究の目的を達成するために、(1)空き家から地域社会の再生産システムを研究するためのフレームワークの構築、(2)農山村地域でのフィールドワークを実施した。 (1)に関しては、国内外の住宅研究、物質文化研究、関連する社会学分野の文献を中心に理論的な検討に力を入れた。とりわけ、住宅を社会学・政治学・社会政策学を含む複合的関心から理論的に捉える「ハウジング・スタディーズ」の議論を整理し、住宅をそれを取り巻く社会的環境と接続して議論するためのフレームワークを構築した。また、家族社会学や地域社会学における、地縁や血縁に関する議論を取り入れたことで、空き家問題に関する分析を深めることができた。 (2)に関しては、現地での聞き取り調査よりも、対象地域に関する資料収集を中心におこなった。とくに人口問題や住宅問題に関連する文書資料を収集することができた。これらを用いて、空き家が生じる社会的環境について実証的に分析することができた。とりわけ、空き家を社会学的に研究する際に、調査地域周辺の交通や産業の変遷に関する資料を用いることの有効性が確認できた。こうした資料によって、フィールドにおける聞き取り調査においても、要点を整理することができた。 以上の研究成果の一部は、三田社会学会のシンポジウムで報告し、次年度に論文化される。関連学会への参加によって、次年度以降に研究に向けて、関連分野の研究者とのネットワークをつくることもできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は基礎的な文献研究に力を注ぐ必要があったこと、また、調査地域の都合もあり十分なフィールドワークが実施できなかったことが、研究がやや遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、初年度に十分に実施することができなかったフィールドワークを行い、現地における空き家とそれを取り巻く社会的環境についてのデータ収集を進める。初年度に収集した文書資料と合わせて、これらの分析をおこなう。そのための研究のフレームワークに関しては、引き続き関連分野の研究を検討し、さらなる精緻化をはかる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施したフィールドワークの回数が、当初の予定より少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に実施できなかったフィールドワークも含めて、次年度は実施する予定である。
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