研究課題/領域番号 |
16K17234
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
芦田 裕介 宮崎大学, 地域資源創成学部, 准教授 (30771951)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 空き家 / 空き家対策 / ハウジングスタディーズ / 農山村 / モノ / 再生産システム / 地域社会 |
研究成果の概要 |
本研究では、持続可能な地域社会の再生産システムの構築について考えるために、農山村の空き家をめぐる諸アクターの意識や行動に注目した。調査の結果から、農山村の地域社会では、戦後の都市化・産業化の帰結として、人々の生活空間が拡大し、人口の流動性が高まるなかで、住宅は私的領域として地域社会とは切り離された存在となり、空き家は地域住民が関与しにくいモノとなっていることが明らかになった。その過程において、地域社会を支えてきた「人と人の関係」、「生者と死者の関係」「人と自然の関係」という3つの関係を維持していくことが難しくなっており、こうした関係を継承していく場を整備していくことが重要である。
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自由記述の分野 |
農村社会学、地域社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、農山村地域の住民およびその関係者にとって重要な意味がありながら、これまで社会学の研究対象ではなかった空き家とそれを取り巻く諸アクターの意識と行動を、フィールドワークによって把握・分析することを通じ、地域社会の再生産システムについて考察したことで、農村社会学や地域社会学の分野において、研究対象を拡張し、新たな研究の視点を提示し、研究の進展に寄与する。また、過疎問題は、人口の流動性が高まる今日では世界中どこでも起こりうることであり、本研究の成果は、空き家に注目して持続可能な地域社会の方向性を示したことで、今後の空き家対策や移住政策などを考えるための材料を提供するものだといえる。
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