研究課題/領域番号 |
16K17238
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
多喜 弘文 法政大学, 社会学部, 准教授 (20634033)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 社会階層 / 専門学校 / 学歴 / 女性の就業 / 制度的埋め込み |
研究成果の概要 |
本研究では、これまで十分に注目されてこなかった学歴としての専修学校専門課程(以下、専門学校)の効果を日本的な文脈への「埋め込み」を考慮しつつ計量的に検討した。総務省が実施する基幹統計「就業構造基本調査」の2012年度版、2013年に実施されたESSM調査、2015年に実施されたSSM調査などを用いた計量分析の結果、専門学校学歴は男性よりも女性において高校学歴と比べた場合の賃金への効果が大きいこと、90年代前半を境に専門学校の位置づけが男性で変化したこと、女性における専門学校の効果の大きさの背景には、配偶者収入の少なさが関わっている可能性などが明らかにされた。
|
自由記述の分野 |
社会学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は学歴としての専門学校に着目し、①性別による違い、②分野による違い、③時代による違いという相互に関連しあう3点の課題を検討した。高校卒業後に専門学校に進学する生徒が2割に達する現状に比して、学歴としての専門学校の効果に関する実証研究は少なく、本研究は同分野において学術的に重要な貢献を成し遂げたといえる。また、専門学校が職業資格ともっとも密接に関連する学歴である以上、この学歴の検討は日本的雇用や女性にとっての労働を問い直す契機となる上に、近年社会的に注目されている「日本の学校教育における職業的レリヴァンスの欠如」に関する問題を議論する上で必要な論点を新たに提起することができた。
|