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2020 年度 実施状況報告書

衣料産業におけるグローバルな都市間分業―持続的都市成長の原動力――

研究課題

研究課題/領域番号 16K17242
研究機関熊本県立大学

研究代表者

三田 知実  熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (20707004)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワード投資を行う高級衣料企業 / グローバル都市 / 空間の生産 / 地元住民・町会組織 / メガバンク系の投資法人 / REIT1(不動産投資信託)
研究実績の概要

本研究は、これまで高級衣料製造業都市の調査を行なった。それにより、衣料産業のグローバルな再編のなかで、高級衣料のデザイン、製造、流通、小売のグローバルな都市間分業が行われていることを明らかにした。
本年度は最終年であるため、研究成果を出版することを目的としている。事例は、グローバル都市・東京の高級街区・表参道と、その裏側の元々住宅街である都市細街路「裏原宿」である。表参道や裏原宿では、デザインされた物件の集中が、この地区の不動産価値を高めることに着目した。裏原宿を対象としたのは、主にメガバンク系不動産投資法人である。表参道を対象とした投資は、主に高級衣料ブランド大資本である。
そして文献調査や資料のレビューから、特に、高級衣料ブランド巨大資本が、グローバル金融・不動産部門と結びついている。巨大資本が、傘下にある外資系高級衣料ブランド大資本の旗艦店の土地建物を証券化し、売買を通じてマージンを得てゆく。またメガバンク系不動産投資法人は、裏原宿の住民も居住している低層ビルを購入し、売買を通じてマージンを獲得してきた。
さらに先述の,高級衣料ブランド巨大資本が所有する旗艦店は、別企業によるフランチャイズ経営である。そして高級衣料製造部門の下請化がなされ、高級衣料ブランド巨大資本は不動産投資事業に専念している。高級衣料産業がグローバル経済との結びつきが強くなった。しかも投資におけるマネーゲームの勝敗は、グローバルな純粋生産を行うデザイナー、地元住民や来街者の動きにより、決定づけられている。とくに来街者
こうした投資の過程h、大きな経済的利益を得るための手段として、表参道と裏原宿が利用されていることを示唆した。結論として、この投資の過程を、機関投資家による都市空間の私物化と捉えた。現在、都市社会学の文脈で考察を行い、その学術的意義を見出す段階にある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

事業開始の2016年4月14日と4月16日に震度7の地震が相次ぎ、震災に遭いました。2017年に北部九州豪雨、2018年の九州豪雨・西日本豪雨、そして2020年2月以降続くコロナ(パンデミック)、2020年の球磨川水害と大牟田豪雨0などで、一時的に研究も教育を行うことが不可能であったため。

今後の研究の推進方策

事例記述は完了し、現在は参考文献のレビューを行っております。
詳細な記述の加筆修正を行っており、文献レビューを蓄積している状況です。

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公開日: 2021-12-27  

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