パブリック・ビューイングやライブ・ビューイングなど、日常生活の時間の流れから相対的に切断された次元に成立するメディア・イベントは、参加者のあいだに連帯の感情が共有されているかのような、一時的で、仮設的な体験である。本研究では、日本におけるメディア・イベント研究の全体像を整理でき、その理論的再構築の道筋をつけることができた。 また、1960~70年代がメディア・イベントの転換期に当たるという仮説のもと、1970年の大阪万博が、近代日本のメディア・イベントの臨界点である反面、マス・メディアとしての映画やテレビとは異なるスクリーン・メディアの実験場でもあったことを明らかにした。
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