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2016 年度 実施状況報告書

生活困窮から社会的孤立に至る因果経路に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K17249
研究機関龍谷大学

研究代表者

三谷 はるよ  龍谷大学, 社会学部, 講師 (60733326)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード生活困窮 / 社会的孤立 / 全国調査
研究実績の概要

本研究は、「生活困窮から社会的孤立に至る因果経路」を実証的に明らかにすることを目的としたものである。若年層・高齢層を問わず、貧困と社会的孤立という社会問題が顕在化している今日、この両者を結びつけるメカニズムの詳細は未だ明らかでなく、「なぜ、生活困窮者は誰にも頼れなくなるのか」という問いを社会構造的な観点から究明することが喫緊の課題となっている。そこで本研究では、両者を結びつける仮説要因として、「互酬性意識」「ライフイベント」「公的サポートへのスティグマ意識」「私的ネットワークの特性」等を想定し、これらの各要因が生活困窮と社会的孤立を媒介するかについて、全国調査データを用いて実証的に検証することを課題とした。
上記の目的を果たすために、平成28年度は、応募者が平成27年度におこなった社会的孤立に関する全国調査(郵送調査)をプリテストに位置づけ、第1波パネル調査の企画・準備を進めた。このプリ調査データによって、生活困窮や社会的孤立といった主要変数の度数分布や変数間の関連性を把握した上で、修正点を考慮し、新たな全国郵送調査の調査票の作成を進めた。主な質問項目は、収入、ソーシャル・サポート(どのような私的・公的サポートをどの他者からどの程度、受けているか/受けたことがあるか)等である。今後は、この調査用をもとに第1波パネル調査を実施し、データ分析を進め、仮説検証と理論的考察を深めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた全国パネル調査の企画・準備を進めることができたため、本研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、第1波パネル調査(全国郵送調査)を実施する。実施後、調査データのクリーニング・分析を進め、その成果を段階的に関連学会の学術大会・論文等で報告していく。同時に、第2波パネル調査の企画・準備を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

第1波パネル調査(全国郵送調査)を十分なサンプルスケールで実施するため。

次年度使用額の使用計画

平成28年度請求分の170万円と平成29年度請求分の70万円を合算した240万円を、第1波パネル調査の調査費用に充てる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 特別企画 時代が要請する政治 「子どもの貧困」対策における多職種連携の重要性――「子ども支援」に携わる支援者たちが抱える課題とは2016

    • 著者名/発表者名
      三谷はるよ
    • 雑誌名

      第三文明

      巻: 2016年6月号 ページ: 23-25

  • [学会発表] 市民参加を活性化させる地域とは──マルチレベル分析による地域文脈効果の検討2016

    • 著者名/発表者名
      平松誠・三谷はるよ
    • 学会等名
      関西社会学会第67回大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2016-05-29
  • [図書] 基礎ゼミ 社会学2017

    • 著者名/発表者名
      奥村隆、柴田悠、三谷はるよ、笠井賢紀、阿部真大、工藤保則、白土由佳、米澤泉、挽地康彦、吉川徹、大山小夜、宮垣元、青木聡子、西田亮介
    • 総ページ数
      232ページ(40-54)
    • 出版者
      世界思想社
  • [図書] ボランティアを生みだすもの――利他の計量社会学2016

    • 著者名/発表者名
      三谷はるよ
    • 総ページ数
      220ページ
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2018-01-16  

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