研究課題/領域番号 |
16K17250
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
安達 智史 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (90756826)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ムスリム女性 / イスラーム / 解釈実践 / 情報化 / 国際比較研究 / 質的調査 / ジェンダー意識 |
研究成果の概要 |
本研究では、現代社会に生きるムスリム女性の信仰と社会参加の関係について明らかにするため、イギリス、マレーシア、日本の三カ国を対象とした質的調査手法(インタビュー、フォーカス・グループ)に基づくデータの分析をおこなった。その結果、女性たちの間で、現代社会とイスラームとが対立するという考えは薄く、逆に社会への参加をイスラームに言及することで正当化している点がみられた。これは、情報化によって、彼女たち自身の手によるイスラーム解釈の可能性が開かれたことが原因と考えられる。
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自由記述の分野 |
社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、西洋社会のムスリムの実際の声に基づき、女性個人の解釈実践を通じたイスラームの生きられた側面に焦点を当てた点で意義がある。また、それにより、「抑圧の犠牲者」あるいは「近代に適応できない存在」といった硬直的な表象が与えられてきた「ムスリム女性」像を相対化し、生き生きとした主体としての女性の姿を描くことができた。この点は、教義中心かつ集合的に論じられてきた既存のイスラーム理解を変容させる点で、社会的にも大きな意義を有している。
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