近年は医師の労働を対象とした社会科学的な研究があるものの僅かであり、医師の年休取得や労働時間に焦点をあてた社会学的な研究となるとほとんど見られない。このように日本では医学の領域に踏み込んだ社会学的研究は少なく、医師の年休を扱った既存の調査も僅かである。つまり、本研究により、医師の年休取得率を改善し、医師の偏在を是正することができれば、良質で安全な医療の確保の一助となり、医学医療の進歩を牽引する役目を社会学が果たすことになる。 また、これにより、日本の社会学において、医学を「周辺領域」から「身辺領域」に一歩近づけることになる。
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