本研究では,高齢者介護施設における効果的な虐待予防策を明らかにするため,①先行研究のレビュー,②新聞記事における虐待事例の分析,③インタビュー調査,④質問紙調査に取り組んだ. 研究の結果,施設種別や虐待の種類によって予防策の効果が異なることが明らかとなり,施設特性もふまえ,虐待予防に向けた取り組みを個別的に行う必要があることが分かった.また虐待の要因として「利用者要因」「職員要因」「社会・職場環境要因」の三つが複雑に絡み合い,発生していることが確認された.そのため,職員への教育や研修だけでなく,職場の労働環境や人間関係の問題など幅広く取り組む必要があることが実証的に明らかになった.
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