研究実績の概要 |
本研究は,介護保険施設(特別養護老人ホームと老人保健施設)における介護職員を対象として,勤務継続意欲の高い介護職員の特性と“介護肯定感”に焦点をあてた研究である.介護職員の勤務継続を支えてきた内的要因(ワーク・エンゲイジメントに影響を及ぼすメカニズム)について調査研究から明らかにし,介護職員がポジティブに仕事することへの介護職員個人ができる工夫,組織ができる工夫の示唆を得ることを目的とする. 平成30年度は,平成29年4月に回収したアンケート調査によって,協力の得られた対象者にインタビュー調査を行った.インタビューは5名に協力をいただいた.インタビュー調査の目的は,アンケート調査結果の共分散構造分析によって得られた介護職員のワーク・エンゲイジメントの関連要因モデルを検討するために,介護職員が具体的にどのように捉えているのか,考察を深めることである. 結果,『職場環境認識』が『ワーク・エンゲイジメント』を高め,『介護肯定感』を高める方向に働くことが示された.職場環境について働きやすいと認識している介護職員は,ワーク・エンゲイジメントも高まり,日常的な介護業務においても介護肯定感をより感じることができる.インタビュー調査協力者は,ワーク・エンゲイジメントの高い介護職員であり,職場環境について働きやすいと感じており,介護肯定感,介護職員自身の成長を感じていることがわかった.
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