本研究は、まず、中国における福祉の市場化の展開と特徴を検討し、現段階の中国の福祉市場は自由市場に近いという結果を出した。このような環境は日本介護事業者の中国進出を促進するだろうと予想される。次に、日本式介護の現地化プロセスに焦点をあて、事例調査を通して「日本式介護の特性」について明らかにした。日本介護事業者は自立支援の介護理念を、中国での事業展開においては維持しようとしている。しかし、異なる介護観をもつ中国では、自立支援は中国人職員と高齢者に理解されていない。日本式介護の中国における適応可能性を考える際、何をもってその質が高いと言えるか、その効果の実証を明らかにすることは今後の課題になる。
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