研究課題/領域番号 |
16K17284
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉田 一史美 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (80736869)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 児童福祉 / 養子縁組 / 障害児 / 家族 / 米国 |
研究実績の概要 |
本研究は「障害児の養子縁組」を現在の日本の養子縁組の制度的、規範的な限界点の一つと仮定し、これを克服する議論の基盤を構築するため、養子縁組の先進国である米国を事例に、障害児の養子縁組に関わる制度化とその理論を考察することを目的とする。米国の児童福祉法体制における特別なニーズをもつ子どもの養子縁組の制度の変遷と課題を検討し、障害児の養子縁組に関する社会的合意と政策的意図の理論的な立脚点を明らかにした上で、ソーシャルワークの課題、理論的矛盾を批判的に考察する。 2016年7月~8月に、ワシントンD.C.にある米国議会図書館等で文献調査を実施した。米国の連邦・州レベルの児童福祉法体制における特別なニーズをもつ子ども(children with special needs)の養子縁組の位置づけを精査するため、生親・養親・養子縁組仲介者の具体的な手続き、障害児を養子縁組した家庭を対象とする公的扶助制度(Adoption Assistance and Child Welfare Law of 1980)の詳細と発達に関わる文献を収集、調査した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年7月~8月に、ワシントンD.C.にある米国議会図書館等で文献調査を実施した。米国の連邦・州レベルの児童福祉法体制のなかで、特別なニーズをもつ子ども(children with special needs)の養子縁組がどのように位置づけられているのか、法文・各種ガイドラインを精査し、生親・養親・養子縁組仲介者の具体的な手続き、障害児を養子縁組した家庭を対象とする公的扶助制度(Adoption Assistance and Child Welfare Law of 1980)の詳細と発達に関わる文献を収集、調査した。成果発表に向けて、2017年度に行う調査で収集する文献とあわせて検討、考察する準備をすすめている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、養子となった子どもの障害の有無をめぐる訴訟を調査し、障害児養子縁組の制度化の変遷と課題を考察する。これらの作業を通して、日本の新生児・乳児の養子縁組、障害児の養子縁組、障害者の生殖・家族形成に関する諸議論に通底する構造的な問題を明らかにし、日本の子ども・生殖・家族に関わる諸福祉政策において、障害児の養育をめぐる規範的考察を行なう。
|