研究課題/領域番号 |
16K17284
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
吉田 一史美 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (80736869)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 米国 / 養子縁組 / 障害児 / 児童福祉 |
研究実績の概要 |
「障害児の養子縁組」を現在の日本の養子縁組の制度的、規範的な限界点の一つと仮定し、これを克服する議論の基盤を構築するため、米国を事例に障害児の養子縁組に関わる制度化とその理論を考察することを目的とする。米国の児童福祉法体制における特別なニーズをもつ子どもの養子縁組の制度の変遷と課題を検討し、障害児の養子縁組に関する社会的合意と政策的意図の理論的な立脚点を明らかにした上で、ソーシャルワークの実践と課題を批判的に考察する。これらの作業を通して、新生児・乳児の養子縁組、障害児の養子縁組、障害者の生殖・家族形成に関する諸議論に通底する構造的な問題を示し、日本の子ども・生殖・家族をめぐる福祉政策について障害児の養育に関する規範的考察を行なう。 28年度に実施したワシントンD.C.の米国議会図書館等における調査で収集した生親・養親・養子縁組仲介者の具体的な手続き、障害児を養子縁組した家庭を対象とする公的扶助制度(Adoption Assistance and Child Welfare Law of 1980)の詳細と発達に関わる文献を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本務校の業務多忙により29年度中に補完的調査を行うことができず、十分な考察と成果発表に至らなかったため、研究期間の延長を行った。成果発表に向けて、30年度に行う調査で収集する文献とあわせて検討、考察する準備をすすめている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、養子となった子どもの障害の有無をめぐる訴訟を調査し、障害児養子縁組の制度化の変遷と課題を考察する。これらの作業を通して、日本の新生児・乳児の養子縁組、障害児の養子縁組、障害者の生殖・家族形成に関する諸議論に通底する構造的な問題を明らかにし、日本の子ども・生殖・家族に関わる諸福祉政策において、障害児の養育をめぐる規範的考察を行なう。
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次年度使用額が生じた理由 |
本務校の業務多忙により29年度中に補完的調査を行うことができず、十分な考察と成果発表に至らなかったため、次年度使用額は補完的調査に充てる。
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