研究課題/領域番号 |
16K17296
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
前村 奈央佳 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50632238)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 移民 / ルーツ観光 / アイデンティティ / 異文化適応 / 沖縄 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、移民が自身の民族的なルーツとなる土地を一時的に訪問する「ルーツ観光」に焦点をあて、ルーツ観光体験が移民のアイデンティティや祖国のイメージに及ぼす影響を検討することであった。2016年10月に沖縄県で開催された「第6回世界のウチナーンチュ大会」と前後の期間にて量的調査(質問紙調査)と質的調査(面接調査)を実施した。調査の結果、アイデンティティの変容には3種のパターンがみられた。また、移民1世は沖縄にホスト国よりも強く同一化するのに対し、ホスト国の文化に馴染んだ移民子孫世代にとって沖縄は、「大好きな旅行先」として客体化され、ルーツ地でいわば異文化体験をする実態が浮き彫りとなった。
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自由記述の分野 |
社会心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ルーツ観光は、移民子孫世代のエスニック・アイデンティティを刺激するだけでなく、ホストのアイデンティティにも影響することが確かめられた。また、複数のアイデンティティが統合された上で強化されるケースも確認され、日系移民のルーツ観光に関する研究事例を蓄積することができた。移民2世以降の世代による、民族的な「祖国」での<異文化体験>についてさらに検討を進めることにより、異文化間コミュニケーション研究の発展にも貢献できるだろう。今回フィールドとなった沖縄県には研究成果の一部について報告書を提出したが、研究成果を応用し、ルーツ観光を掲げた旅行商品の開発など、地域の経済発展への貢献も期待される。
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