本研究の学術的意義および社会的意義は以下のとおりである。 まず、反社会的なパーソナリティ傾向の高い人たちの社会的に不適応な反応を抑制する要因を明らかにした点である。加えて、そのような人たちの向社会性を高める可能性を示したことも本研究の意義のある成果である。一般的に、反社会的なパーソナリティ傾向の高い人たちは攻撃性が高く、対人関係にトラブルを抱えやすいとされる。しかしながら、そのような人たちの不適応な反応を抑制する要因についてはほとんど明らかになっていない。本研究の成果は、対人トラブルの解消、ひいては安心・安全社会の確立に向けて重要であると思われる。
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