本研究では、死に対する態度や自己の捉え方の傾向などの個人の内面的特性と自己内省に関連する神経基盤との関係性を明らかにすることを目的とし、健康な大学生・大学院生を対象に機能的磁気共鳴画像法を用いて自己関連認知課題などを遂行中の脳活動を計測する心理生理学的実験を行った。 その結果、(1) 死に対する不安・恐怖のスコアがかなり高いグループと低いグループ、死への関心が非常に高いグループと低いグループに分かれる傾向があること、(2)「自己存在の自覚感」の減弱の程度を計測する「解離性障害スコア(DSC)」と「日本語版BDI-II」による鬱病スコアとの間に統計的に有意な正の相関が見られること、が示された。
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