研究課題/領域番号 |
16K17304
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大谷 和大 北海道大学, 教育学研究院, 助教 (20609680)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会的目標構造 / 心理的リアクタンス / 学級経営 / 小学生 |
研究成果の概要 |
本研究では、(1)学級で強調される規範が心理的リアクタンスおよび規範の共有に及ぼす影響について場面想定による実験、(2)学級内でどのように規範は伝えられているのか学級づくりの様子の観察、(3)規範を効果的に伝える方法について場面想定法による実験、(4)学級の社会的目標構造と教師側の要因との関連を検討した。規範に関する目標は心理的リアクタンスを喚起し、規範を共有意図を低下させていた。規範の伝達には、命令口調でない場合は、「~しよう」など接近的な伝え方が効果的であることが分かった。社会的目標構造のうち、向社会的目標は、教師効力感の各側面と正の関連を有していた。
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自由記述の分野 |
教育心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、学級で強調される社会的目標と心理的リアクタンスに着目し、心理的リアクタンスの喚起が学級の規範の定着を阻害する可能性を示した。心理的リアクタンスはこれまで教育心理学領域においてほとんど検討されてこなかった要因であり、学術的に貴重な知見を提供するものと考えられる。本研究で得られた一連の成果は、学級経営の方略に示唆を与えるものである。すなわち、高学年のクラスでは過度に規範を重視しすぎないこと、規範のメッセージの統制力が強くない場合は、接近的(~しよう)に伝えることなどが示唆された。これらの成果は、学級以外の場面における規範にも応用できる可能性を有していると考えられる。
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