研究課題/領域番号 |
16K17309
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鈴木 俊太郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10548233)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ポジティビティ / ブリーフセラピー / 心理教育 / いじめ予防 |
研究実績の概要 |
いじめ予防プログラムの基盤となる「ポジティビティ・フォーカスト・アプローチ」について、前年度の理論研究を踏まえて、実際のカウンセリング場面、心理教育場面に利用できるように手続きや方法論を明確にする作業を行った。ポジティブ心理学の中でも肯定的感情側面に焦点を当てたB.Fedricksonらの研究成果を基盤に、対人コミュニケーション場面において、自身の肯定的感情が、認知的枠組みを拡大・再構築していくというプロセスを、教育プログラムとして実行できるように調整している。最初は、カウンセラーとクライエントという特殊な2者関係、つまりカウンセリングの一場面でこのプログラムを想定し、そこでパイロットスタディを踏まえて、集団場面、教育場面での応用が可能な形にブラッシュアップを図っていった。プログラムは大きく分けて2つのフェーズから構成され、1.ポジティブ感情喚起フェーズ、2.認知再構築フェーズの2段階に分けられる。それぞれのフェーズでは、一定のタスクが参加者に課される。例えば、1.のフェーズでは、過去の失敗経験と成功経験を同時に想起してもらい、成功経験のみについてその後詳細に事実を説明してもらう。このような作業を行うと、次いで思い出してもらった失敗経験の記憶が想起しずらくなる、価値が低下するなどの効果が見込める(検索誘導性忘却という現象を利用したトレーニング)。 また、これと並行して、ここまでの研究成果を学会発表という形で公表し、他の研究者からプログラム実施に関して様々な意見をいただき、ブラッシュアップを図った。 遂行過程で大幅な改変の必要性や手続きの補強、倫理的配慮をご指摘いただき、考慮に入れることとなったため、年度内で予定していた実際に施行するプログラム開発まで至ることは難しかった。 なお、この遅れについては、年度をまたいで、次年度の計画施行スピードを調整することでも解消可能と考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プログラムの原案について、予想以上に改編・修正の必要が生じた。とくに倫理的配慮については時間をかけて保証しなくてはならないため、学内の研究倫理委員会や学会の倫理綱領を踏まえて対応する必要があった。この対応に関して時間を要し、当該年度の予定とは違った遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
実際に施行する学校や協力者と調整を図りつつ、当初より余裕をもって計画していた実際のパイロットスタディに関する時期を遅らせることで対応したい。この場合でも十分にデータ収集が可能であると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れによって、当該年度で使用することができない金額が生じた。次年度のパイロットスタディ計画を後ろ倒しすることによって、プログラム作成の時間を取り、こちらを遂行する予定でいる。パイロットスタディの実施時期については当該協力校と連絡を取り、調整していく。 また、次年度使用の予定として、プログラムのブラッシュアップを行うための他の研究者との打ち合わせに要する経費(旅費や物品費など)として使用を検討している。
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