研究課題/領域番号 |
16K17311
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
黒川 雅幸 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10510050)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ネットいじめ |
研究実績の概要 |
本研究は、教室内でタブレット型コンピュータを用いたネットいじめが起きている状態を指標化するための基礎的研究を行うことが目的である。その中で、本年度は、1.女子にネットいじめが生じている条件である実験群を対象とした実験の実施、2.男子にネットいじめが生じている条件である実験群を対象とした実験の実施、3.男女でネットいじめが生じている条件である実験群を対象とした実験の実施、4.女子にネットいじめが生じている条件である実験群のデータと平成30年度に実施した統制群とのネットワークを比較分析し、学会発表の原稿を作成した。2では、ネットいじめがクラスで起きている状態に操作したうえで、総合的な学習の時間を想定したスマートフォンを利用したソーシャル・スキル・トレーニングの授業を実施した。調査対象者は、大学生158名(計9集団)であった。スマートフォンのアプリケーションから通信ログの取得を行った。3および4については、それぞれ小サンプルしか収集できておらず、平成31年度に引き続き実験を行う予定である。4の学会発表では、日本教育心理学会第61回総会発表において、シンポジウム「コミュニケーションに潜むいじめのリスク」で話題提供として登壇する予定である。また、日本カウンセリング学会第52回大会のポスター発表に向けて発表原稿の作成を行った。女子に関してのみであるが、いじめが生じているコミュニケーションネットワークと仲間からの評価が低い場合のコミュニケーションネットワークには有意な差はみられず、仲間から好意的に思われていない段階で、いじめのリスクを考慮する必要性が示された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度遅れていた実験群の実験実施を行い、また当初計画していた条件を変更した実験まで進めることができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成31年度は実施計画の最終年度になる。条件を変えた男子のいじめ条件および男女のいじめ条件の実験を引き続き実施し、また統制群との比較についてネットワークの観点および言語的コミュニケーションの観点から分析を行う。これらの成果について学会発表を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は、実験室を含む研究棟の改修工事が5ヶ月間あり、この期間実験を行うことが困難であった。そのため、予定していたよりも実験回数が少なくなってしまい、実験協力者への謝礼が少なくなったため、次年度使用額が生じた。翌年度は、この分の使用も含んだ実験を計画している。
|