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2017 年度 実施状況報告書

感情への気づきを促す児童用言語表現教育プログラムの開発:国語教育との融合

研究課題

研究課題/領域番号 16K17318
研究機関立正大学

研究代表者

遠藤 寛子  立正大学, 心理学部, 特任講師 (30364425)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード感情 / 予防教育 / 自己表現
研究実績の概要

2017年度は、国語の専門家・現職教員の協力のもと、関東圏内の小学6年生を対象に感情への気づきを促す言語表現教育プログラムの実践研究を行った。本プログラムは、3段階から成り、1段階につき45分を月に1回ずつ行うという内容である。介入前から介入後にかけて3ヵ月に及ぶ。その際、本プログラムの介入前と介入後(本プログラムの2週間後)に測定を行った。
分析の結果、感情への気づき促す言語表現教育プログラムを受講することにより、介入前と比べて介入後に、身体変化への気づき、健康維持に向けた伝達スキル、自己表現のスキルに関わる得点が上昇する傾向にあった。すなわち、自分自身の身体感覚の変化に気づけるようになった可能性、そして、身体の異変や疲れを感じた時、親や教師に言葉で伝えるスキルが養われた可能性が示された。また、友達に自分の考えを打ち明けたいとき、自分の気持ちや考えを友達に表現したり、話したりするスキルが促された可能性も示唆された。さらに、本プログラムを通して表現力を支える語彙の習得率が介入前と比べて介入後に上昇していたことも明らかとなった。したがって、本プログラムによる一定の効果は示されたといえる。加えて、自由記述内容の測定も行ったが、現在、分析中であり、まとめる予定である。
また、昨年度以前の小学生を対象にした実践研究結果については、日本教育心理学会第59回総会で報告した。2018年度は、本研究結果を学会にて発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究協力者および小学校からに協力により、計画通りに進んでいる。1学年につき3ヵ月に及ぶプログラムであるが、内容を把握した協力校からのニーズもあり、これまで4年生から6年生まで幅広く実施できている。 今後は、通常学級のみならず特別支援学校を対象に行いながら本プログラムを精査していく予定である。また、文献研究も順調に進んでおり、感情および予防教育に関わる研究の動向について整理している段階である。以上のことから、今年度の研究は概ね順調に進んでいると考える。次年度には産休のため数か月進まないことが予測されるものの、今年度の研究成果について学会発表する予定である。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策を、研究ごとに以下に述べる。
1.聴覚障害がある児童を対象にした感情への気づき教育プログラムの検討
聴覚障害がある児童を対象に今年度の実施を予定している。現職教員の協力を得ながら、心理学を専門としない現役の小学校および特別支援学校の教員が実施可能なプログラムの検討を目指すことを目的とする。また、通常学級のみならず広く特別支援学校の児童にも本プログラムが適用可能か否か、今後のプログラムの検討課題についても精査する予定である。
2.本プログラムの継続による効果検証の検討
本プログラムの長期継続することによる効果について検証する予定である。すでに本プログラムを受講した児童を対象に、本プログラムを簡略化した課題を自宅で数週間にわたって定期的に継続してもらうことを検討している。自己理解と他者理解への影響を検討するとともに、自己表現を支える語彙習得についても検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究計画の一部の変更により、今年度は昨年度と異なり、関東圏内の小学校にて実践を行った。そのため、旅費・備品費等が、予定より下回った。また、次年度は新たに聾学校での協力を得ることができたため、そのための備えとして、使用する旅費・物品費・消耗品費等を次年度に使用できるよう変更した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 感情への気づきを促す心理教育プログラムの試み-小学生を対象として-2017

    • 著者名/発表者名
      遠藤寛子・山本晃・鬼頭昌也
    • 学会等名
      日本教育心理学会第59回総会

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公開日: 2018-12-17  

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