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2016 年度 実施状況報告書

小学生、中学生のいじめと認知の歪みに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K17323
研究機関甲南大学

研究代表者

大西 彩子  甲南大学, 文学部, 准教授 (40572285)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードいじめ / 認知の歪み / 反社会的行動 / 選択的道徳不活性化
研究実績の概要

向社会的な感情を抑制し,反社会的行動を引き起こす認知の歪みのメカニズムとしてBandura (1996, 2002)が提唱したSelective Moral Disengagement (選択的道徳不活性化:以下SMD)が国内外で注目されている。SMDは,青少年の反社会的行動や攻撃行動との関連が様々な研究で認められている(Barchia & Bussey , 2011 ; Gini, Pozzoli, & Hymel, 2014)。いじめにおいてこうした認知の歪みは,いじめ加害者の罪悪感や恥などの感情を抑制し,いじめを促進する役割を果たしていると考えられる。
そこで本研究では,いじめの加害者,被害者,傍観者,仲裁者の認知の歪みについて明らかにし,その働きについて検討することを目的としている。本年度は,2014年に定時制高校を対象に行った調査結果をまとめ,日本社会心理学会第57回大会において発表した。この研究では,高校生のいじめの役割別行動と反社会的行動に関する認知の歪み,いじめに関する認知の歪みとの関連についての検証を行った。その結果,男女ともに反社会的行動に関する認知の歪みは,いじめに関する認知の歪みを高めることで間接的にいじめへの消極的関与,直接的いじめ加害行動および被害経験を高める影響を与えていた。
また,中学生を対象にいじめの役割別行動と認知の歪みに関する質問紙調査を行った。結果のまとめおよび発表は次年度に行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

いじめの加害経験、被害経験、傍観経験、仲裁経験と認知の歪みについて測定する質問紙調査の第一回目を中学校を対象に実施し、各学校と相談の上、来年度以降の2年間の縦断研究の準備が整いつつある。

今後の研究の推進方策

今年度は6月と12月に、引き続き中学校で質問紙調査を実施し、いじめの役割別行動と認知の歪みに関するデータを収集する。得られたデータは昨年度のデータとのマッチングを行う。また、昨年度得られたデータは分析を行い、学会等で発表および関連情報の収集を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Moderating effects of relational interdependence on the association between peer victimization and depressive symptoms.2017

    • 著者名/発表者名
      Kawabata, Y., & Onishi, A
    • 雑誌名

      Child Psychiatry and Human Development

      巻: 48 ページ: 214-224

    • DOI

      10.1007/s10578-016-0634-7

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] いじめの選択的道徳不活性化についての研究2016

    • 著者名/発表者名
      大西彩子
    • 学会等名
      日本社会心理学会第57回大会
    • 発表場所
      関西学院大学(兵庫県・西宮市)
    • 年月日
      2016-09-17 – 2016-09-18

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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