研究課題/領域番号 |
16K17324
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研究機関 | 作新学院大学女子短期大学部 |
研究代表者 |
小栗 貴弘 作新学院大学女子短期大学部, その他部局等, 准教授 (10635379)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 高校中退 / 高校中退リスク評価尺度 / 標準化 / 学習スキル / 普遍的予防 / 選択的予防 / 指示的予防 |
研究実績の概要 |
本研究では,高校中退における予防プログラムを「普遍的予防」「選択的予防」「指示的予防」に分類し,包括的な予防プログラムの開発を目的としている。具体的には,①中退高リスク群をスクリーニングする尺度の標準化,②作成した尺度をWEB調査で実施した際の効果の確認,③普遍的予防としての「学習スキル教育」の開発と効果測定,④選択的予防と指示的予防の介入手続きの開発と効果測定である。 スクリーニング尺度の標準化では,昨年度中に約3000名の高校生を対象として質問紙調査を実施した。また,カットオフ・ポイントを検討するために,各生徒のその後の登校状況について,担任を対象として調査を実施した。 WEB調査については,すでにHPは整えてあり,研究協力校との調整を行っている。 学習スキル教育については,大橋智先生(明星大学)の研究協力を得て,実験的な手法を用いて手続きの開発や効果の測定を行っている。具体的には,高校の夏休み等を利用して,研究協力の同意を得られた生徒に対して,学習スキルを教示する前と後で,どのように学習の成績に違いが出るのかを検討しているところである。 選択的予防と指示的予防の介入手続きと効果については,①の研究協力が得られた高校のうち,希望があったいくつかの高校に対して,今年度から継続的に介入および調査を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
WEB調査を活用した調査について,研究協力校の同意を得ることに,やや難航している。PC室の利用や校内でのスマートホンの利用に制限があるためである。 引き続き同意を得る交渉を続けていくことと,学校での実施にこだわらず,自宅での回答も可とすることで対処していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
尺度の標準化では,昨年度に得られたデータを基にして,今年度は分析を進める予定である。 WEB調査の活用については,「現在までの進捗状況」で述べたように,方法に少し柔軟性をもたせることで,研究協力校の確保を目指す予定である。 学習スキル教育については,昨年度に得られたデータを分析し,学会等で発表を行う。また,その結果を踏まえて,より効果的な手続きを模索し,最終的に集団への授業としてプログラム化する予定である。 選択的予防と指示的予防については,研究協力校の教員と継続的なコンサルテーションを行い,そこで検討した対処方法を実行し,その結果を考察することで,データを蓄積していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定よりも,WEB調査のためのHP作成が安価で済んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
7000円程度の余剰金であるため,次年度に繰り越し,消耗品費等として使用する予定である。
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