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2017 年度 実施状況報告書

精神病発症リスク状態に対するメタ認知トレーニングの実施可能性と有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16K17326
研究機関東北大学

研究代表者

濱家 由美子  東北大学, 大学病院, 助教 (80622422)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードARMS / メタ認知トレーニング / 認知行動療法
研究実績の概要

精神病の発症リスク状態であるARMS(At-Risk Mental State)への治療として認知行動療法の有効性が確認されている。しかし、日本における医療現場の現状では、定型的な認知行動療法を施行できるセラピストは限られているため、実際に認知行動療法を受けることのできる患者数は制限されざるを得ない。
統合失調症の治療効果が実証されているプログラムとしては、メタ認知トレーニング(MCT)が開発されている。このMCTは構造化したプログラムを持ち、実施マニュアルと教材が準備されているため、定型的な認知行動療法に慣れていない心理士、作業療法士、看護師など様々な職種でも実施可能である。MCTは日本国内でも精神病への有用なプログラムとして普及が拡大しており、精神病に対して簡易的な認知行動療法が提供される機会は増加しつつあると言える。
MCTは陽性症状および妄想に対する効果が報告されているため、類似の症状を持つARMSにも効果的であることが予測される。だが現在までのところ、MCTをARMSに適応した研究はこれまでに報告されておらず、ARMSに対するMCTの実施可能性についての検証は行われていない。そこで、本研究ではMCTをARMSに適用することで、その効果(efficacy)、受容性(acceptability)、安全性を調査し、ARMSに対するMCTの実施可能性(feasiblilty)を明らかにすることを目的としている。
昨年度は、精神病に対する個人向けMCTのマニュアルを入手し、ARMSの患者に適用できるように改訂をして、ARMS版個人MCTマニュアルの作成を行った。
今年度は介入の流れを確認するために、予備介入として3名のARMS患者に対しMCT+ARMSを実施した。同時に、東北大学医学部倫理委員会に申請を行い、本試験介入の開始準備を整えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現時点までに、ARMS版個人MCTマニュアルの作成、予備介入の実施、および東北大学医学部倫理委員会への申請を行い、本試験介入の開始準備を整えている。
立案した計画では今年度中に本試験介入を開始する予定であったため、若干の遅れが伴っていると判断される。

今後の研究の推進方策

継続的に患者リクルートを行い、10例程度の患者に本試験介入を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度には、MCT専門家への相談、研究協力者への調査依頼など、複数名に謝金を支払う必要が生じるため、次年度使用額が生じることとなった。
次年度使用額は、次年度に発生する謝金として充当する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 早期介入における心理社会治療をステップアップするためには?:早期介入におけるトラウマへの対応2017

    • 著者名/発表者名
      濱家由美子
    • 学会等名
      第21回日本精神保健・予防学会学術集会
  • [学会発表] トラウマ体験への焦点化と認知処理療法が有効であったARMSの一例2017

    • 著者名/発表者名
      濱家由美子、小原千佳、砂川恵美、國分恭子、冨本和歩、松本和紀
    • 学会等名
      第21回日本精神保健・予防学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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