認知機能検査についての検討は,諸外国では一定程度行われているものの,我が国ではまだその数は多くない。また諸外国で行われている研究に用いられる認知機能検査は,我が国の臨床現場で広く用いられているものと必ずしも一致しない。そこで本研究では,我が国で広く用いられている認知機能検査を対象に,高齢者の認知機能障害の予後予測,背景疾患の鑑別などについて検討を行った。その結果,複数の認知機能で軽微な低下が起こっている場合,1年後の認知機能の低下のリスクとなる可能性がある事が示された。また高齢者のうつと認知症の鑑別が,認知機能検査によって行える可能性があることを示した。
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