研究課題/領域番号 |
16K17337
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高橋 高人 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (10550808)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ストレスマネジメント / 予防 / ユニバーサル / 防御要因 |
研究実績の概要 |
本研究は,児童のメンタルヘルスの問題を予防することを目的としたストレスマネジメント研究を行う。これまでの児童のメンタルヘルスの予防介入は,障害レベルの症状や診断を受けた子どもに対する治療技法と効果指標をそのまま適用しており, “治療”から“予防”への洗練が必要である。申請者は,ユニバーサルレベルの認知行動的技法を用いた予防プログラムとして,介入研究を行ってきた(たとえば,髙橋・石川・井上・佐藤,2015;田中・髙橋・佐藤,2016;髙橋・岡島・シールズ・大藪・坂野,2014)。しかし一方で,ユニバーサルレベルの予防プログラムの課題も見えてきた。それは,もともとストレス反応や抑うつの高い児童には効果が大きい一方で,もともとストレス反応や抑うつが低い児童への効果は小さいという点である。この理由として,これまで学校現場における予防的プログラムが,児童の不安障害やうつ病などの治療に用いる技法や効果指標をそのまま適用してきたことがあげられる。そこで,本研究では以下の内容を研究目的とする。 研究1として,ユニバーサルレベルの予防的介入に特化した,症状や障害だけにとどまらない予防要因(防御要因)を測定する尺度を開発する。研究2として,研究1で開発した効果測定尺度を用いて,ユニバーサルレベルの予防的介入に特化したストレスマネジメントを開発し,その有効性を確認する。上記の研究目的から研究1として,ユニバーサルレベルの予防プログラムに特化した,児童の防御要因を測定できる効果尺度を開発する。当初の予定通り,順調にデータ収集が進んでいる。今後さらにデータを蓄積し,児童のメンタルヘルスの問題における防御要因を明らかにし,尺度を作成する。従来までの症状そのものや障害レベルなど治療的な要因しか検討できていなかった予防プログラムが,真の意味で予防効果の検討に必要な防御要因を測定できるという意義をもつ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の計画通り,進行している。3年間の研究期間のうち研究1は調査研究および尺度作成であり,必要なデータは着実に収集できている。引き続き,データを収集し研究を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は,研究1として,ユニバーサルレベルの予防プログラムに特化した,児童の防御要因を測定できる効果尺度を開発する。研究2として,ユニバーサルレベルの予防プログラムに特化したプログラムを開発し,その有効性を検討する。さらに長期的維持効果についても検討することである。現在,進行中の研究1が終了し次第,研究2に進みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数のため次年度で調整する。
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次年度使用額の使用計画 |
可能な限り,計画通り使用する。
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