研究課題
若手研究(B)
対人関係療法を施行後の対人過敏性は治療前と比べて有意に軽減した。対人過敏性が高いグループのみ治療後に対人過敏性が有意に減少したが、治療後の対人過敏性は治療前の全体の平均値よりも高かった。少人数の予備研究によって、併存精神疾患を持つ慢性のうつ病患者においても対人関係療法によってうつ症状が有意に軽減したものの、併存精神疾患群の数が3つ以上だと対人関係療法の治療反応が乏しい可能性が示唆された。
対人関係療法
うつ病患者の一部には薬物療法、心理療法の効果が乏しいため、治療抵抗因子の同定とそれに対する治療法の開発が急務である。対人関係療法は対人過敏性を軽減させる可能性がある一方で、治療前に対人過敏が高い症例は、治療後に軽減しても依然高く、限界があることがわかった。併存精神疾患をもつ慢性うつ病に対する対人関係療法の研究は少人数のものであるため今後はさらなる研究が必要である。