本研究の目的は、専門治療後に残遺症状を呈するうつ病、不安症患者に対するウェルビーイング療法のマニュアルを整備し、その実施可能性と有効性を検討すること、ウェルビーイング療法の有効性を評価するためのアウトカムを開発することであった。本年度は、前年度に作成されたウェルビーイング療法の実施マニュアル等を用いて、ウェルビーイング療法とその研究の国内での発展を啓発するために、ワークショップを開催した。また、ウェルビーイング療法を適用した症例報告を日本不安症学会にて実施することを予定していたがCOVID-19の影響となり延期となった。その報告症例では、強迫症の患者にウェルビーイング療法を適用し、治療開始後に社会機能に大幅な改善が示され数ヶ月後にも改善が維持されていたことを報告した。本研究を通じて、ウェルビーイング療法の本邦での提供体制が整備された。しかしながら、計画進行の遅延等によって、有効性の検討を十分に実施することができなかった。今後、有効性検討のための臨床試験を継続していく。
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