刺激に含まれる空間情報やリズムなどの社会的な文脈情報が我々の行動に与える影響を検討した。一定間隔で提示される刺激にタイミングを合わせて指でタッピングを行うという同期タッピング課題を用いて調べたところ、聴覚における同期タッピングでは運動情報の付加による同期精度の低下や、下頭頂葉小葉の刺激によって精度低下が抑えられることが示された。逆に視覚では運動情報の付加により同期精度が良くなること、さらにリズムパターンを繰り返す音列を用いた同期タッピングではリズムによって精度が良くなることなどを明らかにすることができた。これらの結果は、我々の行動が刺激文脈によって大きく影響されていることを示唆している。
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