本研究課題では,呼吸に伴う時空間知覚の歪みを明らかにするために,呼吸を操作する方法として「衝突の知覚」を用いた研究を行った。前年度までの実験の結果,より詳細な追加実験が必要であることが判明したため,計画を変更し,今年度,追加実験を行った。「衝突の知覚」に関する研究の基本的な実験パラダイムとしては,標的刺激の移動直後に,標的刺激が衝突するように知覚される手がかり刺激を呈示し,手がかり刺激の移動距離を変化させることであった。今年度行った追加実験では,手がかり刺激の大きさや移動の開始時間を操作し,その結果生じる時間知覚の違いをもとに衝突知覚による心理的時間の歪みの生起要因を考察した。
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