本プロジェクトではエピソード事象直後から1時間以内の期間に焦点をあて,エピソード記憶の符号化が早い海馬CA1シナプス可塑性を生じさせるか検討した。スライスパッチクランプ法を用いた研究において,エピソード事象提示5分以内にmEPSCとmIPSCが増加することが示された。また,paired pulse ratioの結果はエピソード提示5分以内にグルタミン酸放出確率の増加を示し,加えて,ウェスタンブロッティング法はエピソード提示から5分以内にGABAA受容体数の増加を示すものであった。以上,エピソード提示による記憶構築過程においてこれらの興奮と抑制の強化のバランスが重要であると提案する。
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