研究課題/領域番号 |
16K17371
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
飯野 祐樹 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10633612)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ニュージーランド / 接続期 / カリキュラム / 記録 / 評価 |
研究実績の概要 |
今年度は昨年度末のニュージーランドでの保育施設、及び、小学校訪問で得られた情報の整理を進めた。 保育施設では、地域の小学校への就学形態についての聞き取りを中心に進めた。ニュージーランドでは日本と同様に1つの保育施設から複数の小学校へ就学する形態が多く採られており、その就学過程も各小学校で異なりが見られる。保育施設では、各小学校と連携を取りあうに当たって担当者が決められており、その保育者を中心に子どもたちの小学校への就学が進められていく。具体的な役割としては、小学校側との定期的な会議の開催、保護者との情報共有、子どもの体験入学の調整などが挙げられる。ニュージーランドでも日本と同様に、自園の子ども達が最も多く就学する小学校との連携は取りやすいが、少数の子どものみ就学する小学校との連携は取りにくいとのことであった。そのため、接続期のカリキュラムもどの学校と作成すればいいのかという課題があり、困難を抱えている様子がうかがえた。 小学校では、就学後の流れを中心に聞き取り調査を行った。まず、就学後の評価体制について。就学後すべての子どもたちの状況を把握するために“School Entry Assessment(SEA)”が実施される。SEA はニュージーランドで幅広く用いられている評価システムである。次に、記録物の共有について。小学校側は希望しているものの、保育施設で作成された記録は小学校で保管することはまずない。なぜなら、法的にそのような取り決めはなく、小学校側がそのような記録を求める際には、保護者からの許可が求められることとなる。最後に、家庭との連携について。訪問した小学校では、数年前まで六カ月に一度の頻度で子どもに対するレポートを作成していたが、現在ではオンライン上で情報を共有することが可能になり、紙媒体で報告書を作成する機会は少なくなっているとのことであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの発生、及び、家庭の事情(出産)により、当初予定していた長期での現地調査や学会参加が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまでの調査で得られた情報を整理し、論文の執筆や学会発表等を通して「アプローチ・カリキュラム」と「スタート・カリキュラム」の作成・運用方法について情報を発信していく予定である。また必要に応じて、現地で追加調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、新型コロナウイルスの発生、及び、家庭の事情(出産)により、当初予定していた計画が十分に達成することができなかった。来年度は、今年度予定していた計画を達成することを目的に、補助金を使用させていただく。
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