本研究は、教育に関わる科学的な実践の範囲を日常的な実践の領域まで拡張するための理論的なモデルを提示することを目指したものである。科学者や研究者による真理の発見を実験室に閉じたり、科学者共同体に閉じたりすることなく、知を活用していく人々の日常的な諸実践にも開いていくことが本研究の目的である。 また、研究では人間を環境の内部に埋め込まれた存在としてではなく、環境との相互的な関係性のなかで生きる存在として捉える理論枠組みを示す。新しい技術の導入によって教育の場はまさに科学的技術的な実践の場として組み替えられたが、環境の変化を一方向的にではなく、そこに生きる人間と環境との相互的な変化として捉える。
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