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2017 年度 実施状況報告書

中華民国時期における「童子軍(ボーイスカウト)」運動の成立と展開

研究課題

研究課題/領域番号 16K17399
研究機関早稲田大学

研究代表者

孫 佳茹  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (40757316)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード童子軍 / ボーイスカウト / 少年団 / 中華民国 / 児童組織 / 社会教育 / 青少年教育史 / 児童史
研究実績の概要

平成29年度の研究目的として、「童子軍教育」が中国の近代教育に与えた影響にフォーカスし、前年度の研究結果を踏まえた上で、香港・台湾・日本側の研究成果を視野に入れつつ、ボーイスカウトの教育理念・童子軍教科書の内容分析を行う予定であった。
研究実施に当たって、(1)「国民党童子軍としての改組」、(2)「日中戦争時におけるボーイスカウト活動――国際性の在り方」、(3)「『童子軍教育』が中国の近代教育に与えた影響」と3つのテーマを柱に研究作業を進めた。
具体的に、テーマ(1)について、1926 年以後、国民党によるボーイスカウトを「国民党童子軍」としての改組の仕方を考察した。①党童子軍の指導系統の設立、②訓練内容の改訂、③学校教育へ必修科目としての導入、という3つの側面にフォーカスし、従来の国際性のあるボーイスカウトを国民党が自分の傘下にある青少年組織として改組させていくプロセスについて、制度面から明らかにした。テーマ(2)について、国際的な性格をもちながら、中国へ導入され、国際交流の中で成長していった童子軍が戦時中において国家という枠組みの前でどのように自分の国際性を保ちながら、変遷を遂げていくのかという課題にアプローチするために必要とされる一次資料:『中央日報』および『満洲日日新聞』、日本ボーイスカウト連盟に所蔵されている満洲童子団関連の資料収集、整理を中心に行った。これにより次年度に行う予定の分析作業の基盤が整った。テーマ(3)について、中国国家図書館で新たに公開された童子軍の教科書の収集作業を中心に行った。これにより、台湾国立編訳館ですでに入手済みの資料と合わせて、1934 年以後学校のカリキュラムに導入されたスカウティングの中身についてより全面な分析作業のベースができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

中国国家図書館にて新たに戦時中の童子軍教科書及び関連資料が大量に公開されたことにより、本研究の研究成果をより厳密なものにするため、新しく公開された資料の分析も行うことにした。そのため、当初の研究計画より多めに時間を要することになり、研究課題の進歩状況に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き一次資料の分析を行いつつ、(1)日中戦争時におけるボーイスカウト活動の国際性の在り方、(2)童子軍教育が中国の近代教育に与えた影響について、これまで収集・整理した一次資料に基づき、詳細な分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究実施の遅れにより、必要とする関連物品費などの支出が先送りになったため、次年度使用額が生じた。研究実施の継続により次年度に関連物品費の支出を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 南京国民政府時期における童子軍改組の特徴 : 1928年から1931年まで「中央訓練部」の取り組みを中心に2018

    • 著者名/発表者名
      孫佳茹
    • 雑誌名

      教育学論集

      巻: 60 ページ: 163-17

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 中国におけるボーイスカウトの成立 ―1910~1920 年代を中心に―2017

    • 著者名/発表者名
      孫佳茹
    • 学会等名
      全国スカウト教育会議

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公開日: 2018-12-17  

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