研究課題/領域番号 |
16K17409
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上山 浩次郎 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (60751089)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育達成の地域間格差 |
研究実績の概要 |
当該年度は、前年度の「今後の推進方策等」に基づき、前年度において研究会等で成果を発表した内容を論文化した。具体的には、教育達成の地域間格差のメカニズムを示す理論として解釈できる欧米のNeighbordhood effects研究で検証されている「伝染理論(Epidemic Thory)」と「集合的社会化理論(Collective Socialization Theory)」を、2015年社会階層と社会移動調査研究会で実施した社会調査データをもとに検討し、それら理論が日本社会を対象にした社会データを用いても、傍証的にではあるものの確認できることを明らかにした。ただし、既存の社会調査での上記理論の含意を十全な形で検証することの困難さと、上記理論を把握するためには別途の工夫の必要性も示唆された。なお、上記を行うに際し、estatでは電子情報化されていない年度の『国勢調査』の市町村別データに関して電子情報化作業も行った。 また、前年度の「研究実績の概要」で触れた、教育達成の地域間格差のメカニズムを把握する上で重要な意味を持つと思われる、教育意欲の地域的相違の現状やそのメカニズムを把握する可能性をもちうる社会調査プロジェクトも進めた。具体的には、データの整備とデータ分析を進め、今後の成果発表等の準備を行った。さらに、当該年度から企画の段階から参加した、教育意欲の地域的相違の現状やそのメカニズムを把握しうる関連する別の社会調査プロジェクトについても、調査設計、実査、データ入力、データクリーニング等の作業に携わり、次年度以降に行う予定のデータ分析の準備作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社会調査や統計学に関する国際的な動向などの関連する先行研究の整理作業などは十分な形では行えなかったものの、前年度の「今後の推進方策」に従い、研究成果の論文化と、参加している社会調査プロジェクトをデータ分析の実行やデータ整備という形で進展させることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
データ整備を進めている社会調査プロジェクトに関して、データ分析を行い、その研究成果を学会発表等行うことを通して、論文執筆へ向けた取り組みを行う。合わせて、教育意欲や教育達成の地域間格差のメカニズムを把握しうる社会調査のあり方について示唆を得ることを試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
関連研究文献等の整理作業(欧米のNeighbordhood effects 研究、社会調査や統計学の国際的な動向、参加している社会調査プロジェクトに関わる研究)が予定よりも行えなかったため。 そこで、上記、関連研究文献等の整理作業を行う。また、当該年度から始めた『国勢調査』の市町村データの電子情報化作業を、次年度以降も引き続き行う。
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