研究課題/領域番号 |
16K17412
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
小原 優貴 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 特別研究員(RPD) (70738723)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高等教育の国際化 / 学生・教員の移動 / 教育の質保証 / インド |
研究実績の概要 |
2021年度は、高等教育の国際化の取り組みの中でも、短期の国際理解教育プログラム(海外体験学習、国内での国際研修等)に焦点を絞り、先行研究の収集と分析を進め、最新の研究動向を把握した。また、シンビオシス大学とインド大学協会が主催する「高等教育の国際化」に関する国際会議に参加し、南アジア地域の高等教育の国際化の取り組み(欧州連合が進める国境を超えた学びを支援する枠組み「Erasmus」の同地域での展開、諸外国の大学とのカリキュラムの共同開発等)について情報収集を行い、国家間関係を超えた大学主導の国際関係・国際理解促進のあり方について検討した。また、インドの高等教育を専門とするジャワハルラール・ネルー大学の教員に、研究課題に関する聞き取り調査を行った。 2021年度は、新型コロナウィルス感染拡大の影響のため、予定していた調査が十分に実施できず、補助事業期間の延長を行った。2022年度は、現地の協力者の助言を得ながら、2021年度に実施予定であったインドの高等教育の国際化(とりわけ外国人の教員・学生の受け入れ・送り出し)に関する調査と分析を進め、成果発表につなげる。 インドの高等教育の国際化と質保証の現状と課題を、国際化を進める先駆的な事例の分析を通じて解明する本研究は、南アジアを中心に展開される高等教育の国際化の現状理解と、世界第二位の留学生送り出し大国であるインドが直面する「頭脳流出」問題の将来展望に役立つ研究であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの感染拡大により、調査対象校との調整を進められず、予定していた調査を十分に実施することができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、2021年度に実施予定であったインドの高等教育の国際化(とりわけ外国人の教員・学生の受け入れ・送り出し)に関する調査と分析を進め、成果発表につなげる。 具体的には、以下に取り組む。 1.インドの高等教育の国際化と質保証、諸外国におけるインドへの学生・教員の送り出しに関する文献・資料の分析を進める。 2.インドで国際化を積極的に進めている大学(南アジア大学、シンビオシス大学等)とこれらの大学に教員 ・学生を派遣する各国の高等教育機関の国際化事業担当者とメールやZoom、スカイプ等を通じて連絡を取り、外国人の教員・学生の受け入れ・送り出しの目的と手続きの実態およびその課題と成果についてヒアリングを行う。また外国からの教員・学生の受け入れに対する見解や評価に関する質問紙調査をインドの各大学の教員・学生に対してオンラインで行う。 3.インドでの現地調査が困難であるため、オンラインでの聞き取り調査やアンケートに加え、現地の研究者等の協力を得て 、情報収集を行う。 4.収集したデータの分析・解釈を進め、インドにおける高等教育の国際化と質保証の特徴や課題を整理し、成果発表につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大により、予定していた研究を実施できず、次年度使用額が生じた。2021年度に実施できなかった調査や調査協力者への謝金、関連書籍のために使用予定。
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