ブラジルの公立初等中等学校では、校長を教職員、保護者、児童生徒が一人一票を投じて選考する「校長直接選挙」と呼ばれる制度が存在する。本研究では、校長直接選挙において求められる校長像とその能力を明らかにすることを目的とした。検討の結果、立候補者に求められる制度上の資格要件があることを前提として、校長直接選挙で選ばれる人材の傾向としては、当該学校で予てより教員や教育専門士として勤務しており、その仕事ぶりから教職員や保護者から信頼を得ている人物で、学校運営に対する意欲やビジョンを有しているものであるということが確認された。
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