本研究ではグローバル社会で教員に求められる資質・能力について、中国の高等学校で実施される教員評価制度の分析をとおして考察を行う。教員評価制度は教育課程改革が目指す「素質教育」の理念に沿って生徒の試験成績や進学率を評価規準として過度に重視せず、評価者としては同僚が中心とされている。また、教員に必要な能力として研究能力に関するものも強調されており、評価規準に研究論文数や科学研究費の採択等が含まれ、その能力向上が期待されている。教員評価制度は職階制度と連動しており、教員同士の競争によって能力を向上させることを狙いとしているが、一方で求められる同僚性の構築との共存が課題となると考えられる。
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