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2018 年度 実績報告書

ケアの論理に基づく市民性教育カリキュラムの開発と検証:ノルウェーとの共同を通して

研究課題

研究課題/領域番号 16K17444
研究機関奈良教育大学

研究代表者

橋崎 頼子  奈良教育大学, 学校教育講座, 准教授 (30636444)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードシティズンシップ教育 / カリキュラム / ケアの倫理 / 道徳教育 / 正義の倫理
研究実績の概要

本研究の目的は、シティズンシップ教育を支える理念である「ケアの倫理」の考え方を取り入れた教科・領域横断的な道徳教育カリキュラムについて、日本の中学校での開発・実践・評価を基に考察を行うことである。同時に「正義の倫理」に基づく欧州のシティズンシップ教育の事例を研究することである。
3年目となる今年度は、「ケアの倫理」に基づく中学校3年間の道徳教育カリキュラムについての成果を検討するため、卒業生にインタビューを行い、生徒の学びの様子からカリキュラムの検証を行った。具体的には生徒の学びが3年間でどのように深化していったのか、それを支える要因は何であったのかについて明らかにした(橋崎、小嶋 2018、2019)。同時に教師が子どもの声をどのようにカリキュラム開発に反映させているのかについても考察を行い論文化や学会での提案を行った(小嶋2018)。また教員養成課程の中でも開発した実践を用いて学生と議論を行った(橋崎、板橋、梶尾、後藤2019)。
同時に、「正義の倫理」を中心におく欧州評議会のシティズンシップ教育カリキュラムについて、コンピテンシーモデルの作成過程や背景理念の考察を行ってきた(橋崎2018、川口・橋崎2018、橋崎・川口2019)。
本研究全体として、中学校の3年間の教科・領域横断的な道徳教育カリキュラムを現場の教員と協力しながら作成することができた。生徒の学びの様子についても、参与観察やワークシートを収集し、自己、他者、社会についての認識やかかわり方がどのように変容していたのかを考察することができた。またその研究成果を教員養成にも関連させ実践を行った。欧州評議会のカリキュラムの枠組みについてもその特徴の一部を示すことができた。今後は、ケアと正義の倫理の視点を意識し、シティズンシップ教育に関する示唆を引き出し提案につなげていく。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] University College of South East Norway(ノルウェー)

    • 国名
      ノルウェー
    • 外国機関名
      University College of South East Norway
  • [雑誌論文] 道徳の特別教科化の課題をふまえた実践開発と教師教育での活用―ケアと社会参加に注目した道徳教育を通して―2019

    • 著者名/発表者名
      橋崎頼子、板橋孝幸、梶尾悠史、後藤篤
    • 雑誌名

      奈良教育大学次世代教員養成センター研究紀要

      巻: 5 ページ: 111-121

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アイデンティティの複数性と動態的な文化理解にもとづく議論に向けた関係構築─欧州評議会におけるシティズンシップ教育の事例を通して─2018

    • 著者名/発表者名
      橋崎頼子
    • 雑誌名

      社会科教育研究

      巻: 134 ページ: 98-107

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] From Pity to Compassion: The Ethics of Care and Human Rights Education2018

    • 著者名/発表者名
      Yuka Kitayama,Yoriko Hashizaki
    • 雑誌名

      Human Rights Education in Asia-Pacific. Human Rights Education in Asia-Pacific.

      巻: 8 ページ: 269-284

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 他者との出会いが生起する「深い学び」についての一考察 : 「自他の関係性の再構築」に関わる道徳授業の実践から2018

    • 著者名/発表者名
      小嶋祐伺郎
    • 雑誌名

      次世代教員養成センター研究紀要

      巻: 4 ページ: 139-145

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 声なき声を聴くことを通した道徳教育実践2019

    • 著者名/発表者名
      橋崎頼子、小嶋祐伺郎
    • 学会等名
      第29回日本国際理解教育学会研究大会
  • [学会発表] Examining the Ethics of Care as an Inclusive Approach for Education for Social Justice2019

    • 著者名/発表者名
      Yuka Kitayama, Yoriko Hashizaki, Audrey Osler
    • 学会等名
      The 11th Korean Association for Multicultural Education (KAME) Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 欧州評議会における市民性育成のためのカリキュラム編成原理 ― 価値を中心とした民主的文化のためのコンピテンシー参照枠に基づいて2019

    • 著者名/発表者名
      橋崎頼子、川口広美
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会第30回研究大会
  • [学会発表] ヨーロッパ市民育成の視点から<欧州評議会の取り組みから>2018

    • 著者名/発表者名
      橋崎頼子
    • 学会等名
      第26回日本グローバル教育学会研究大会(シンポジウム)
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会的レリバンスの高いシティズンシップ教育カリキュラムの設計方略ー欧州評議会作成のリファレンス・フレームワークを事例としてー2018

    • 著者名/発表者名
      川口広美、橋崎頼子
    • 学会等名
      日本カリキュラム学会第29回研究大会
  • [学会発表] 多元的シティズンシップの基盤としての他者理解と自己変容―ケアを用いた3年間の道徳教育実践を通して―2018

    • 著者名/発表者名
      橋崎頼子、小嶋祐伺郎
    • 学会等名
      第28回日本国際理解教育学会研究大会
  • [学会発表] 多元的アイデンティティを育む授業づくりの考察2018

    • 著者名/発表者名
      小嶋祐伺郎
    • 学会等名
      日本社会科教育学会 第68回全国研究大会
    • 招待講演
  • [図書] 教師と人権教育2018

    • 著者名/発表者名
      オードリー・オスラー、ヒュー・スターキー、藤原孝章、北山夕華(監訳)第2章翻訳担当 橋崎頼子
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750346847
  • [図書] (世界の研究動向から考える〉社会科授業の理解に役立つ12のキー概念 (第3回) 今月のキー概念:Justice oriented citizen(正義志向の市民)『社会科教育』2018

    • 著者名/発表者名
      草原和博、橋崎頼子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      明治図書

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公開日: 2019-12-27  

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